平成24年に改正された生命保険料控除についてその内容を解説するとともに、住民税の影響も含めて分かりやすく解説します。
平成24年に改正された生命保険料控除の内容
8月7日の記事で生命保険料控除は平成24年1月1日以降締結の契約分から改正されたと記載しました。
所得税では控除限度額自体は増えている
所得税の生命保険料控除は平成23年以前契約分は上限が10万円でしたが、平成24年契約分からは上限が12万円に変更されています。数字だけ見ると上限が上がっていますので納税者に有利になるように思うかも知れませんが、実際はどうでしょうか?
次の項目で解説したいと思います。
所得税での控除
平成24年の改正では金額の上限が従来の8割に減額したと共に、生命保険の種類を従来の2種類から3種類に変更されました。
- 満期保険や死亡保険などの一般の生命保険
- 介護や医療を中心とする介護医療保険
- 将来の年金の上乗せに活用する個人年金
このように3種類に増やしました。
3種類の生命保険にはそれぞれ規定があるため、上限の12万円の生命保険料控除を受けるためには3種類の保険に加入して生命保険料を支払わなければなりません。3種類の生命保険料控除を満額受けようとする場合には、最低24万円年間に支払わなければなりません。
住民税での控除
住民税の計算は基本的に所得税と似通っています。例えば直近でしたら、平成28年分の所得税の内容に応じて平成29年度の住民税が決まります。
ただし、生命保険料控除については所得税と取り扱いが異なります。所得税が改正により上限が10万円から12万円に引き上げられたのに対して、住民税では据え置かれました。そのため上限は3種類の生命保険料控除の合計額が7万円のままのため、節税効果は薄いと考えます。
まとめ
生命保険料控除は支払った保険料の一部が所得控除の対象となります。そのため、生命保険料の実際の支払い金額に対して思ったよりも所得控除の対象となる金額が少なく感じられるケースもかなりあります。例えば老後資金の確保が目的であれば以前にご紹介した確定拠出年金制度を利用される事も一つの解決策になると思います。ご検討の際にお役に立てれば幸いです。