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飲食店における原価に含まれるもの

経営者のみなさまは原価と言う言葉は耳にされた事が多いと思います。卸売業、ガソリンスタンド、出版社、ドリンク、銭湯など業種によって考え方は変わりますが、飲食業では一般に統一的な考え方がされています。飲食業における原価とはほとんどの場合は食材費、ドリンクの仕入代のみを指す事が多いです。また、飲食業の食材費、ドリンクの仕入代は売上に占める割合は30パーセントから40パーセントに収めなければ、経営が難しいと言われております。

マクドナルドの場合の原価

マクドナルドの決算短信を見てみると、とても原価が高いです。売上に占める割合も90パーセントを超える事が当たり前です。なぜ、マクドナルドの原価は高いのでしょうか?とても簡単な事ですが、一般の飲食業では原価項目ではなく販売費及び一般管理費に計上している人件費や店舗家賃、水道光熱費などの多くを原価に計上しています。ここで考えてみたいのが原価の定義です。小売業のように仕入れたものに利益を上乗せする業種であれば仕入れ値そのものですが、マクドナルドのように製造して販売するいわゆる製造小売業は材料費だけでは商品、製品が出来ません。家賃が発生しますし、人件費も発生します。特に近年はアルバイトの採用難で時給が上がっている傾向です。また、店舗の正社員の給料を毎年上げるためには、原価に反映させて、売上を増やさなければなりません。売上の理論上の増やし方は値上げか値下げで販売量を増やす方法が一般的です。

中小企業での考え方

マクドナルドのような上場会社は経理業務に専門家がいますし、時間を割く事も可能です。中小企業の場合にはなかなか事務作業に時間を取れない事が実情です。そのため、私の経験からですが、せめて家賃関係、料理人の人件費関係については原価として把握する事が効率的かと考えます。それ以外の経費項目についてはほとんどが毎月一定に掛かる固定費と言う考えでよろしいのかなと考えます。少しでも原価の事を考えないと売上の戦略が行えない事になってしまいます。安過ぎてもだめ、高過ぎてもだめなのが飲食業の難しい所です。そのためにも原価項目を絞って追加計上する考え方は時間も掛からないと思います。

まとめ

一般の飲食業の原価は材料費のみをもって原価にしている会社がとても多いです。マクドナルドは家賃や人件費、その他の経費も原価に含めて経営しております。中小企業も食材費だけでなく、比較的割合の高い家賃、人件費は原価に含めて経営する事が売上である売価を決める手段になり得ます。少しでもご参照下されば幸いです。

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